利用規約が契約に組み込まれるためには、2つの要件を満たすことが必要です。
①利用規約があらかじめ利用者に対して適切に開示されていること
②表記の方法や構成、取引申込みの仕組みなどから見て、利用者が利用規約にしたがってサービスを利用する意思をもって運営者(事業者)に対して申込みをしたと認定できること
です。
適切に示していれば、同意のチェックボックスを設けていることは必須ではありません(ただし、同意のチェックボックスは有効な手段ではあります。)。
例えば、「当社が必要と判断した場合は、いつでも本利用規約を変更することができます。」という記載があらかじめなされていたとします(「変更権留保条項」といいます。)。
しかし、契約は合意によって成立するものであるから、無限定に変更を認めたものと考えることは難しいと考えられます。そこで、上記のような文言(変更内容について特段の限定がなされていない)の場合、変更が認められるのは、利用者が合理的に考えて、予測しうる範囲に限定されると考えます。
例えば、利用者の利益になる変更であれば、その範囲は狭くないものと考えられますが、利用者の不利益になる変更であれば、その予想がかなり具体的に予想できるものでなくてはならないと思います。
さらに、無償であるサービスを提供して集客した後、同じサービスを突然有料化してしまうような利用規約の変更は、無効となる可能性があるでしょう(消費者契約法10条にも抵触する恐れがあります。)。
![]() |